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【名詞】 1.一目惚れ 《パンチをうけたような衝撃と共に恋に落ちるさま》
     2.P.T.A監督によるロマンティックコメディ映画。《2002年公開》
     3.及川光博による通算24枚目の音楽アルバム。《2016年発売》
     4.邦ロックバンド。《2015年結成》
                     ――2018年、再始動。 

History

第一章 運命

 それがいつ始まったのか、今となってはわからない。どうでもいい。
 きっと、この世に生まれ落ちた瞬間には、すでに動き出していたのだと思う。
 PDLのリーダー・TAMIFULLがバンドを結成した理由はただ一つ。
 
               「音楽をやりたい」

 寝ても覚めても、そんな激情に支配されていたからだ。
 身を焦がすようなビートが、いつだって頭から離れなかった。
 ロックを感じることができないのなら、死んだほうがマシだとすら思った。
 だが、TAMIFULLは楽器が弾けなかった。練習する気もない。致命的だ。
 そんな彼の運命は、盟友NOMIYAとの出会いによって一変する。
 NOMIYAも楽器など弾けなかったが、もはやそんなことは問題ではなかった。
 二人が出会った……その事実が、なにもかもを変えてしまったのだ。

​(肖像権の関係上、NOMIYAの画像は掲載していません)

           「楽器が弾けなくても、バンドを組める」

 そんな衝撃が、夢を諦めかけていたTAMIFULLにどれほど勇気を与えただろう。
 2015年。京都の片隅で《Punch Drunk Love》という小さな光が、産声をあげた。
 しかし、彼らは歩みを始めたその日から大きな壁にぶち当たる。
 肝心の曲がなくては活動できない……まさしく致命的だ。
 結成当日から、彼らは解散の危機を迎えていた​。

 だが、NOMIYAの天才的な音楽センスと情熱が、立ち止まることを許さなかった。
 彼は機転をきかせ、打ち込み作曲という予想外の方法で困難を乗り越える。
 こうしてPDLの記念すべき1stシングル『1円拾った』は誕生した。
 その日、音楽の歴史が大きく塗り替えられた。

​(肖像権の関係上、NOMIYAの画像は掲載していません)

           「バンドを組むのに楽器は必要ない」

 NOMIYAは驚異的な芸術感性と表現力で、次々と曲を制作していく。
 打ち込み作曲という誰も想像すらしなかった方法を、彼は己のものにしていた。
 ロックンロールの寵児……音楽の神に愛された男……作曲ソフトを使える人……
 知り合いたちはモーツァルトの再来だと、NOMIYAを褒め称えた。

 結成一年目にして、PDLは破竹の勢いでロックシーンをのしあがる。
 バンドには、HIROKAやMIKCHEYなど才能豊かな人材が集い始めていた。
 ここにいたって、もはや国内に敵はいないとTAMIFULLは確信する。
 幼いころから夢見た武道館は、目の前に迫っていた。
 だが、すべてが順調かと思われた2017年。
​​
 突然――NOMIYAが姿を消した。​

​(肖像権の関係上、NOMIYAの画像は掲載していません)

       「やっぱり、楽器が弾けないとバンドは組めないのか?」
​​
 NOMIYAはメンバーたちを置いて、人知れず遠くへ行ってしまった。
 今度こそバンドの継続は絶望的かと思われた。誰も作曲ができない……致命的だ。
 PDLは、これまで自分たちがいかにNOMIYAに頼っていたのかを痛感する。
 これほどまでにロックを愛していながら、楽器さえ弾くことができない。
 結局はNOMIYAという一人の天才に背負われていただけだったのか。
 諦めきれない。掴みかけた夢を捨てることは、死にも等しい。
 だが……やはり楽器を練習する気にはなれなかった。
 そこでTAMIFULLは、ある人物に連絡を取ろうと決意する。

            ――それが、NOAであった。
         「逆に楽器が弾けないから、ここまで来られた」

 NOAは大学時代の後輩である。もちろん、楽器など弾けるはずもない。
 だが、TAMIFULLは「PDLを存続させられるのはNOAしかいない」と確信していた。
 そして数年ぶりの連絡。突然バンドへの加入を求められたNOAは困惑した。
(楽器弾かないバンドって何? それただのカラオケじゃね)
 しかし、返答に迷う必要などなかった。PDLの曲すら聴かず、承諾していた。
 NOAはいつだって、そうやって生きてきたのだから。

 2018年6月10日――TAMIFULLはNOAとともに初の二人体制ライヴを決行する。
 HIROKAとMIKCHEYも集い、PDLはここに復活を果たしたのだ。

運命に導かれて、俺たちはここに集った。

夜空の星々が月光に惹かれるように。

少年が少女と恋に落ちるように。

忍び寄る影にも気づかず……

 

​――物語は加速する。

            PUNCH DRUNK LOVE

 それは夢を捨てられなかった男と、一人の天才がつむぎ出した物語。
 

 俺たちは音楽に魅了され、音楽に恋をしていた。
 

 そして、止まることなく歌い続ける。

 恋に落ちるのは簡単だが、夢から覚めるのは難しい。

 そうだろ?

2018/06/11 NOA

2015年 TAMIFULLとNOMIYAにより結成
2016年 1stシングル『1円拾った』発表
    『君が笑う』『LQL』発表
    Youtube500回再生突破
2017年 吉田寮祭 初出演
    熊野寮ライブ 初出演
2018年 新体制でPDL復活
   6月 吉田寮祭 出演
     ファンクラブ設立
     公式グッズ発売開始
to be continue……
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