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夢を追い続ける魚たち

執筆者の写真: NOANOA

 二年ぶりの更新だ。

 この日記を読んでいる奴は誰もいないだろう。

 なぜ放置していたかというと、Wixホームページエディタのパスワードを紛失したため、長い間サイトにログインできなかったのだ。これは俺のミスだ。他のメンバーに罪はない。

 PDLは再始動から数年間、着実に前進してきた。

 楽器の弾ける新メンバーが三人も加入し、レストランでのライブに参加、劇団との提携、楽曲の制作も進んでいるらしい。(※筆者は楽器が弾けないため、練習やミーティングには参加しておらず、進捗状況がよくわかっていない。何の問題もない。それがPDLだ)

 そう、世界は俺たちに酔いしれたのだ。

 だがパスワードを忘れてしまった俺は、そのことをファンのみんなに報告できなかった。「奴らは解散したんだろう」と、誰もが考えたはずだ。何しろ丸二年もサイトが更新されず放置されていたのだから。日記にいたっては、記事が二つしか存在しない。ふざけている。

 正直に言うと、俺はこのHPを完成させた時点で深刻な状況に陥ってしまった。

 ――完全に飽きた。

 グッズの通信販売を開始し、形だけとはいえファンクラブまで開設し、吉田寮祭で憧れのステージに立ったことで燃え尽きてしまったのである。これ以上、何をすればいい?

 メンバーも仕事や家庭が忙しく、特に2020年に入ってからは新型コロナウィルスのせいでろくにミーティングも開くことができないでいる。せっかく楽器が弾ける“最高の仲間”が加わったのに、実にもったいない話だ。今の俺たちなら何だってできる。夢の夢だと思っていた武道館に立つことさえ不可能ではないだろう。しかし、今のPDLは数ヶ月に一度のLINE連絡以外、目立った活動ができていない現状だ。全ては新型コロナのせい……

 俺はすっかりPDLのことを忘れ、自粛という名の引きこもり生活を送っていた。

 何かが物足りなかった。あの頃の情熱は、一体どこへ消えてしまったのだろう。

 ふとそんな感傷に襲われた俺は、二年ぶりに公式HPにアクセスした。

 神の気まぐれか? それとも偶然の符合だろうか?

 適当に打ち込んだパスワードが、俺を再びこの場に舞い戻らせた。

 すると、奇妙なことに忘れていたはずの情熱が不死鳥のごとく蘇ったのだ。

 もう引き返すことはできない。賽は投げられた。

 具体的に何か活動を再開するとか、定期的にHPを更新するとか、そういった予定は今のところない。それでも俺はPDLの一員だ。死ぬまで夢を見続けなければならない。

 俺たちは必ず戻ってくるだろう。

 新型コロナが終息したあと、ステージに返り咲くために……

 
 
 

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